馬九行久(うまくいく)財布の意味|9は「苦」なのに縁起がいい理由

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馬九行久の財布

こんにちは、財布布団に一目惚れして秒速で購入した宮丸(@miyamarusaifu)です。

9は、日本ではあまり好かれない数字。「く」の音が「苦」に通じるので、病院やホテルでは部屋番号に9を避けることがあります。

それなのに、9頭の馬は縁起物として財布にまで刻まれています。馬九行久と書いて「うまくいく」。

気になって調べてみたら、この4文字の中に、日本と中国で9の扱いが正反対になる理由がそのまま入っていました。

馬九行久は「9頭の馬が行く」

輪になって駆ける九頭の馬のイラスト
9頭がみんな左を向いて駆けています。この向きにも意味がありました

読みは「うまくいく」。字のとおり、9頭の馬が行く、という意味の当て字です。「馬九行駆」「馬九行九」と書くこともあります。

9頭の馬は、それぞれが1つずつ運を運んでくるとされています。ニッセイ基礎研究所のコラムでは、勝負運・金運・出世運・家庭運・愛情運・健康運・商売繁盛・豊漁豊作・受験合格の9つでした。

ところが、ラッキーショップの財布の説明では少し違います。金運・商売・出世・勝負・蓄財・良縁・健康・家運・豊作の9つ。

並べてみると、8つはほぼ同じでした。入れ替わっているのは1つだけで、コラムの「受験合格」が、財布では「蓄財」になっています。9つの中身は決まっているわけではなく、持つものに合わせて入れ替わるものなんですよね。財布なら蓄財で合っていると思います。

日本では「苦」、中国では「久」

冒頭の話に戻ります。9が日本で好かれないのは、「苦」と同じ音だからでした。

中国では逆でした。同じコラムによると、中国語では「九」と「久」の発音が同じ「ジウ」で、9は「永遠」を思わせる縁起のいい数字として好まれています。旧暦の9月9日を重陽の節句として祝うのも、奇数の中でいちばん大きい9が重なる日だからです。

ここで馬九行久の4文字を見直すと、「九」と「久」が両方入っています。

日本の読みでは「く」が2回。中国の音では同じ「ジウ」が2回。日本では苦に通じる9を、中国では長く続く意味の字と並べていることになります。

左馬には2種類ある

馬九行久の馬は、ほとんどが左を向いています。ここで出てくるのが「左馬(ひだりうま)」です。

調べていて混乱したのですが、左馬には中身の違う2つがありました。

1つ目は、左を向いた馬の絵。ニッセイ基礎研究所のコラムでは「左馬に勝るものなし」「右に出るものがいない」として、勝負運を上げるものと紹介されています。ラッキーショップの説明も同じ理屈です。

普通の馬の将棋駒と、左右反転した左馬の将棋駒のイラスト
左が普通の「馬」、右が左馬。天童の左馬は、字そのものを裏返して書きます

2つ目は、山形県天童市の将棋駒の左馬です。こちらは馬の絵ではなく、「馬」という字を左右反転させて書いた駒。天童市は全国の将棋駒の約9割以上を占めるといわれる町で、市の観光ページに「左馬の由来」が載っています。

挙げられている説は全部で5つありました。4つはこうです。馬は左から乗るもので、右から乗るとつまずくから、左馬を持つと人生でつまずかない。ウマを逆から読むとマウ(舞う)で、舞いはめでたい席のものだから。馬は人に引かれるものなのに、逆に人を引いてくるから千客万来。左から乗る馬の象徴なので、持つと競馬に強い。

そして残りの1つが、財布の話そのものでした。

天童市の説明によると、左馬の字の下の部分は財布の巾着の形をしていて、口がよく締まり、入ったお金が散らない。だから富のしるしだ、というんです。「馬」の字の下、4つの点が並ぶあたりを、口を絞った巾着に見立てているようです。

ちなみに天童市の説明には、「右に出るものがいない」という説は入っていませんでした。左向きの馬の絵と、裏返しの字の駒。同じ「左馬」でも、言われていることが別物なんです。

財布に関係が深いのは、巾着の説のほうだと思っています。

馬九行久の財布を選ぶなら

ラッキーショップで「馬九行久」を含む財布は、調べた時点で3系統ありました。緑の金運迎えて馬九行久財布、九星ごとに色を分けた金運九星馬九行久財布、それと紫のお金がめぐって馬九行久財布です。

9頭の馬そのものが見えるのは、お金がめぐって馬九行久財布(4,888円・税込)でした。表の丸い金具に、輪になって駆ける9頭の馬が刻まれていて、ショップの説明では「いつまでもめぐり続ける金運」の意味。左向きの馬の刻印も入っています。

形は紫の編み込み模様のラウンドファスナー長財布で、内側は黄色。カードは8枚、札入れとフリーポケットが2つずつ、ファスナー付きの小銭入れが1つ。熊本県の宝来宝来神社でご祈祷済みとあります。

同じ馬の縁起なら、馬蹄の財布も調べています。こちらは西洋と中国の話だったりします。

最後に、まだ答えが出ていないことを1つ。馬九行久の「九」と「久」が同じ音なのは、作った人が中国の音を知っていて狙ったのか、たまたまなのか。いつ誰が言い出した言葉なのか、今回たどった資料には書かれていませんでした。

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