こんにちは、財布布団に一目惚れして秒速で購入した宮丸(@miyamarusaifu)です。
「日本の神様 一覧」と一緒に、「何人」「数」という言葉がよく調べられています。
答えは、数え方で変わります。
國學院大學が公開している神名データベースは、古事記に出てくる神を338柱立てていました。どこまでを神とするかは、尾畑喜一郎編『古事記事典』の項目に合わせた、と凡例にあります。古事記の神様は、この数え方で338柱。

338柱、全部に読みとあらすじが付いていました。
神様は「人」ではなく「柱」で数えます。古事記の本文にも「三柱の神」「五柱の神」と出てきますし、辞書でも「柱」は神仏などを数える言葉です。よく聞く「八百万の神」は数ではなく、きわめて多くの神々という意味。古事記では、天照大御神が天の石屋にこもった場面で、八百万の神が天の安の河原に集まります。
ここでは、その中から名前をよく聞く神様を、古事記の話の順に6つに分けて並べました。最後に、古事記には出てこない七福神も載せています。
読みも並べたのは、漢字だけでは読めない名前が多いからです。邇邇芸命は、データベースの見出しでは漢字20字あるんですよね。

世界のはじまりに現れた神
| 名前 | 読み | 古事記で何をした神か |
|---|---|---|
| 天之御中主神 | あめのみなかぬしのかみ | 天地のはじめに高天原に最初に現れた神。すぐに身を隠した |
| 高御産巣日神 | たかみむすひのかみ | 二番目に現れた神。のちに天照大御神と並んで、地上へ使いを送る指示を出す |
| 神産巣日神 | かむむすひのかみ | 三番目に現れた神。殺された大国主神を生き返らせる手配をする |
| 国之常立神 | くにのとこたちのかみ | 神世七代の最初の神。現れてすぐに身を隠した |
最初の三柱は「造化三神」とも呼ばれます。天之御中主神は古事記の一行目に名前が出る神なのに、そのあと何かをする場面がありません。出番が多いのは、二番目と三番目のほうだったりします。一行だけの登場です。
国と神々を生んだ神
| 名前 | 読み | 古事記で何をした神か |
|---|---|---|
| 伊耶那岐神 | いざなきのかみ | 伊耶那美神と国や神々を生んだ男神。黄泉の国から戻って身を清め、三貴子を生む |
| 伊耶那美神 | いざなみのかみ | 伊耶那岐神と国や神々を生んだ女神。火の神を生んで亡くなり、黄泉の国の神になる |
| 火之迦具土神 | ひのかぐつちのかみ | 火の神。生まれるときに母の伊耶那美神を焼いてしまう |
| 金山毘古神 | かなやまびこのかみ | 伊耶那美神が火の神で病んだときに生まれた、鉱山と金属の神 |
| 大山津見神 | おおやまつみのかみ | 山の神。木花之佐久夜毘売の父 |
| 大宜都比売神 | おおげつひめのかみ | 食べ物の神。須佐之男命に殺され、体から稲や麦などの種が生まれる |
金運のサイトとして気になるのは、金山毘古神です。京都の御金神社は金山毘古命を主祭神とし、天照大御神と月読命もあわせて祀る神社。公式サイトには、金運・招福や商売繁盛など、お金にまつわる願いで多くの人が参拝していると書かれています。黄泉の国から逃げ帰る話は、伊耶那岐神と伊耶那美神の夫婦の別れ話でもあります。
三貴子と、天の石屋の神々
| 名前 | 読み | 古事記で何をした神か |
|---|---|---|
| 天照大御神 | あまてらすおおみかみ | 伊耶那岐神が左の目を洗って生まれた。高天原を治め、天の石屋にこもる |
| 月読命 | つくよみのみこと | 右の目から生まれ、夜の国を任される。古事記での出番はここだけ |
| 須佐之男命 | すさのおのみこと | 鼻から生まれた。高天原で暴れて追放され、地上で八俣の大蛇を退治する |
| 市寸島比売命 | いちきしまひめのみこと | 天照大御神と須佐之男命のうけひで生まれた三女神の一柱。のちに弁財天と結びつく |
| 思金神 | おもいかねのかみ | 天の石屋で、天照大御神を外へ出す計画を考えた知恵の神 |
| 天宇受売命 | あめのうずめのみこと | 天の石屋の前で踊り、神々を笑わせた女神 |
| 天手力男神 | あめのたぢからおのかみ | 石屋から少しのぞいた天照大御神の手を取り、外へ引き出した |
| 布刀玉命 | ふとたまのみこと | 天の石屋で祭具を持ち、天照大御神が戻れないよう縄を張った |
| 天児屋命 | あめのこやねのみこと | 天の石屋で祝詞を唱えた神。中臣氏の祖とされる |
三貴子のうち、月読命は生まれて役目をもらうだけで、話がそこで終わります。三柱そろって有名なのに、一柱だけ物語がない。この差は、図鑑のほうで掘ります。

天の石屋は、神様の名前を一度に覚えるのにちょうどいい場面です。
出雲の神
いちばん人数が多いのが出雲です。古事記ビューアーで数えると、八俣の大蛇から国譲りまでが上巻45段のうち22段。半分近くです。
| 名前 | 読み | 古事記で何をした神か |
|---|---|---|
| 櫛名田比売 | くしなだひめ | 八俣の大蛇に食べられるところを、須佐之男命に救われて妻になる |
| 大国主神 | おおくにぬしのかみ | 須佐之男命の子孫。因幡の白兎を助け、試練を越えて国を作り、最後に国を譲る |
| 八上比売 | やかみひめ | 兄弟の神々の求婚を断り、大国主神の妻になった因幡の神 |
| 須勢理毘売 | すせりびめ | 須佐之男命の娘。大国主神の試練を助け、正妻になる |
| 少名毘古那神 | すくなびこなのかみ | 小さな船で海から来た神。大国主神と国作りをして、常世の国へ去る |
| 大物主神 | おおものぬしのかみ | 国作りを手伝った御諸山の神。神武天皇の皇后の父でもある |
| 事代主神 | ことしろぬしのかみ | 大国主神の子。国を譲ることを父に代わって答えた |
| 建御名方神 | たけみなかたのかみ | 大国主神の子。力比べに負けて信濃の諏訪まで逃げ、国譲りを受け入れる |
| 大年神 | おおとしのかみ | 須佐之男命の子。たくさんの子孫の神の系譜が語られる |
| 宇迦之御魂神 | うかのみたまのかみ | 須佐之男命の子。古事記では系譜に名前が出るだけ |
宇迦之御魂神は、古事記では一行で終わる神です。それでも伏見稲荷大社は、本殿の五柱のうち中央の座に宇迦之御魂大神を祀っています。古事記での出番と、今の神社での存在感が、いちばん食い違う神かもしれません。
国譲りと天孫降臨の神
| 名前 | 読み | 古事記で何をした神か |
|---|---|---|
| 建御雷之男神 | たけみかづちのおのかみ | 伊耶那岐神が火の神を斬った剣の血から生まれた。出雲へ降りて国譲りの交渉をする |
| 邇邇芸命 | ににぎのみこと | 天照大御神の孫。高千穂に天降りした |
| 猿田毘古神 | さるたびこのかみ | 天降りの道案内に立った地上の神 |
| 木花之佐久夜毘売 | このはなのさくやびめ | 大山津見神の娘。邇邇芸命の妻になり、燃える産屋で子を生む |
建御雷之男神は、生まれた場面と活躍する場面が遠く離れています。生まれるのは伊耶那美神が亡くなった直後の段。出番は国譲りです。
海の神
| 名前 | 読み | 古事記で何をした神か |
|---|---|---|
| 綿津見神 | わたつみのかみ | 海の神。伊耶那岐神の禊で三柱が生まれ、海幸山幸では海の宮の主として出てくる |
| 豊玉毘売 | とよたまびめ | 綿津見神の娘。火遠理命の妻になり、神武天皇の父を生む |
| 火遠理命 | ほおりのみこと | 山幸彦。兄の釣り針をなくして海の宮を訪ねる |
| 塩椎神 | しおつちのかみ | 浜で困っていた火遠理命に、海の宮への行き方を教えた神 |
豊玉毘売の孫が神武天皇です。海の神の血を引いて、初代の天皇が生まれる。古事記の上巻は、ここで終わります。
古事記には出てこない七福神
七福神は、インド・中国・日本の福の神を七つ組み合わせたものです。日本大百科全書によると、日本から来たのは恵比寿だけ。残りの六柱は海の外からです。
| 名前 | どこから来たか | 古事記の神とのつながり |
|---|---|---|
| 恵比寿 | 日本 | 事代主神とする神社と、蛭子(ひるこ)とする神社がある |
| 大黒天 | インド | 中世以降、音と袋の姿から大国主神と同じ神とされた |
| 毘沙門天 | インド | 四天王の一尊。財宝の神としても信仰された |
| 弁財天 | インド | 日本では市杵島姫命と結びつき、神社の祭神になった |
| 福禄寿 | 中国 | 幸福・富貴・長寿をひとつの神にしたもの |
| 寿老人 | 中国 | 鹿を連れた老人の姿。宋の時代の人物がもとと伝わる |
| 布袋 | 中国 | 唐の末から五代のころの実在の禅僧がもと |
七福神のうち三柱は、古事記の神と結びつけられてきました。弁財天の縁日は巳の日、毘沙門天は寅の日、大黒天は甲子の日。財布を下ろす日に暦で選ばれるのは、この神様たちの縁日です。日の数え方は巳の日の記事と寅の日の記事に、並べ方は七福神の並べ方の記事に書きました。
ただ、出雲大社の公式サイトは、大国主大神と「だいこくさま」は同じ神としながら、七福神の大黒天とは「正確には別の神様」と書いています。名前が似ていても、この一覧では別の行に置きました。
参照した資料(2026年11月3日確認):國學院大學 古典文化学事業「神名データベース」(凡例・各項目)/デジタル大辞泉「八百万の神」「柱」(コトバンク)/日本大百科全書「七福神」「えびす」・改訂新版 世界大百科事典「大黒天」「弁才天」・日本大百科全書「毘沙門天」「福禄寿」「寿老人」・改訂新版 世界大百科事典「布袋」(コトバンク)/御金神社(由緒)・伏見稲荷大社(ご祭神)・出雲大社(よくある質問)・信貴山朝護孫子寺・松ヶ崎大黒天 各公式サイト

